幼児体育・運動遊びカリキュラム · 保育園・幼稚園

跳び箱指導案12選: 助走・両足踏み切り・腕支持突き放し・安全着地

跳び箱は、助走のスピードを上肢の力強い支持と突き放しによって跳躍力へ変換する、器械運動の総合種目です。仁和幼児園で培われたスモールステップ指導法に基づき、恐怖心を自信へと変える12の段階的図解指導案を公開します。

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跳び箱指導の安全管理と3大防衛ライン

落下事故を防ぎ恐怖心をなくすための安全配慮

指導者の側方補助

指導者は跳び箱の前側方に常に位置し、万一のバランス崩れに備えて両手を構えます。

屈膝着地の徹底

着地時は膝を軽く曲げて前脚部で柔らかく衝撃を吸収する「忍者着地」を徹底します。

器具の滑り止め固定

跳び箱、踏切板、着地マットが床で滑ってずれないよう固定器具や滑り止めシートを設置します。

第7章

跳び箱運動遊び(全12例)

ソフトバーまたぎ、山登り腕支持、直線着地、踏切板ドリルから横箱・縦箱開脚跳びまで、段階的に実力を高めます。

アクティビティ 7-1: 手持ちソフトバーのまたぎ越し

手持ちソフトバーのまたぎ越し

保育者が低い位置で水平に持ったソフトバーに向かって助走し、片足踏み切りで跳び越えます。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: ソフトウレタンバー・着地マット
環境設定・隊形: 直線10mの助走路。
安全配慮: バーに足が当たっても痛くない柔らかい素材を使用。
スモールステップ(易): 歩いてまたぎ越します。
発展(難): バーの高さを少しずつ上げてチャレンジ。
声かけのヒント: 「前をしっかり見て、軽やかにピョン!」
アクティビティ 7-2: 山登り支持(一)脚伸ばしポーズ

山登り支持(一)脚伸ばしポーズ

両手を跳び箱の端にしっかりつき、腕を突っ張って体を持ち上げ、両足を後ろへピンと伸ばします。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 1〜2段低床跳び箱・安全マット
環境設定・隊形: 跳び箱の周囲にマットを敷設。
安全配慮: 肘が曲がって顎を打たないよう、腕を突っ張る感覚を指導します。
スモールステップ(易): 足先を床につけたまま腕を伸ばします。
発展(難): 足を完全に浮かせて3秒キープ。
声かけのヒント: 「腕に力を入れてグッと押す!強いロボットの腕!」
アクティビティ 7-3: 山登り支持(二)跳び箱上しゃがみ乗り

山登り支持(二)跳び箱上しゃがみ乗り

両手を強く押した反動で両足を引き寄せ、跳び箱の天板の上に両足でピタッとしゃがみ乗ります。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 2〜3段跳び箱・ロイター板・着地マット
環境設定・隊形: 助走路と安全着地エリア。
安全配慮: 保育者が横で肩と腰を支えて転落を防ぎます。
スモールステップ(易): 片足ずつ順番に箱に乗せます。
発展(難): 両足を同時にきれいに揃えて乗せます。
声かけのヒント: 「手を押してお尻をキュッ!足をお部屋に引き込もう!」
アクティビティ 7-4: 箱上からの安全直線着地

箱上からの安全直線着地

跳び箱の上に立ち、前方に向かって両足で飛び降り、前脚部で接地して膝を柔らかく曲げて静止します。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 跳び箱・厚手体操着地マット
環境設定・隊形: 十分な厚みのある着地マット。
安全配慮: 膝が内側に入らないよう、つま先と同じ方向に曲げさせます。
スモールステップ(易): 低い1段から飛び降ります。
発展(難): 着地後に両手を広げてピタッと2秒静止。
声かけのヒント: 「静かにトン、膝を柔らかくクッション着地!」
アクティビティ 7-5: 箱上お尻浮かし小ジャンプ

箱上お尻浮かし小ジャンプ

跳び箱の上に手をつき、両足を天板から少し浮かせながらお尻を高く上げる感覚を掴みます。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 低床跳び箱・安全マット
環境設定・隊形: 安全マット完備。
安全配慮: 頭が前に落ちないよう腕をしっかり伸ばさせます。
スモールステップ(易): 小さく足先を浮かせるだけから。
発展(難): お尻を肩より高く持ち上げる意識。
声かけのヒント: 「手で床を押してお尻をポーン!高く上げよう!」
アクティビティ 7-6: 腕力推進・箱上クロール移動

腕力推進・箱上クロール移動

跳び箱の上にお腹をつけて寝そべり、腕の力だけで身体を前へ前へと手繰り寄せて進みます。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 長めの跳び箱または連結跳び箱・安全マット
環境設定・隊形: 両サイドにマット敷設。
安全配慮: 指を挟まないよう天板の縁をつかむ位置を確認します。
スモールステップ(易): 足で軽く蹴りながらアシスト。
発展(難): 腕の力だけで端から端まで渡り切ります。
声かけのヒント: 「腕の力でグイッ!かっこいいレスキュー隊員!」
アクティビティ 7-7: 箱上ジャンプ90度/180度ターン着地

箱上ジャンプ90度/180度ターン着地

跳び箱から飛び降りる瞬間に空中で身体をひねり、向きを変えて着地する応用バランス運動。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 跳び箱・大型厚手マット
環境設定・隊形: 広い着地ゾーン。
安全配慮: 直線着地が完全に安定した園児のみ実施。保育者が横で補助。
スモールステップ(易): 90度ターンから始めます。
発展(難): 180度ターン(後ろ向き)でピタッと着地。
声かけのヒント: 「跳んだらクルッ!マットの真ん中に静かに着地!」
アクティビティ 7-8: ロイター板(踏切板)両足踏み込み反発ドリル

ロイター板(踏切板)両足踏み込み反発ドリル

踏切板の上に助走から両足同時に飛び乗り、板のバネの力で高く跳び上がる感覚を習得します。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 幼児用スプリング踏切板・着地用厚手マット
環境設定・隊形: 滑り止め加工の助走路。
安全配慮: 片足で踏み込んで足首を挫かないよう、両足着板を徹底反復。
スモールステップ(易): その場で踏切板の上でピョンピョン跳ねます。
発展(難): 助走から流れるように両足で踏み切ります。
声かけのヒント: 「最後は両足でドン!バネでびゅーんとロケット発射!」
アクティビティ 7-9: 低床跳び箱の全行程通し練習

低床跳び箱の全行程通し練習

「助走 ➔ ロイター板踏み切り ➔ 手押し ➔ 箱上立ち ➔ 屈膝着地」の全プロセスを低高度で通します。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 低床1〜2段跳び箱・踏切板・着地マット
環境設定・隊形: 安全な専用走路。
安全配慮: 保育者が跳び箱の横に立ち、空中での姿勢崩れに備えて両手を構えます。
スモールステップ(易): 歩き助走から始めます。
発展(難): リズムを止めずに流れるようなスピードで行います。
声かけのヒント: 「タッタッタッ、ドン、ポン、着地!」
アクティビティ 7-10: 高低2段跳び箱のステップ乗り越え

高低2段跳び箱のステップ乗り越え

低い跳び箱と高い跳び箱を前後に連結し、低い箱を踏んで高い箱へ登り、大きく前方へ跳び降ります。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 低箱+高箱の2台セット・着地マット
環境設定・隊形: 十分な着地エリア。
安全配慮: 箱がずれないようしっかり固定し、保育者が手をとって補助します。
スモールステップ(易): 保育者と手をつないで高い箱へ登ります。
発展(難): 助走をつけてテンポよく登り降ります。
声かけのヒント: 「トントンと登って、大きくジャーーンプ!」
アクティビティ 7-11: 横置き跳び箱・開脚またぎ越し(開脚跳び入門)

横置き跳び箱・開脚またぎ越し(開脚跳び入門)

跳び箱を横向きに置き、手で強く突き放す反動で両足を大きく左右に開き、箱を越えて着地します。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 3〜4段横置き跳び箱・踏切板・厚手体操マット
環境設定・隊形: 安全マット完備。
安全配慮: 足が箱の角に引っかからないよう、保育者が両腕を持ってサポートします。
スモールステップ(易): 箱の上にお尻を乗せてから足を広げてまたぎます。
発展(難): 足をつかずにノーバウンドで完全に飛び越えます。
声かけのヒント: 「手で押して足をパカッ!前を見て着地!」
アクティビティ 7-12: 縦置き跳び箱・ロングスパン飛び越し

縦置き跳び箱・ロングスパン飛び越し

跳び箱を縦向きに設置。十分な助走スピードと手前での力強いプッシュで長い箱体を越えていきます。

指導案メモ:用具・導入・安全配慮
準備するもの: 縦置き跳び箱・踏切板・大型着地マット
環境設定・隊形: 十分な助走路と着地ゾーン。
安全配慮: 必ず専門の指導者が横に付き添い、万一のバランス崩れを抱き止めます。
スモールステップ(易): 天板に手をついて馬乗り姿勢でストップ。
発展(難): 完全な縦開脚跳びでスムーズに着地。
声かけのヒント: 「遠くへ手をついてドーン!かっこよくクリア!」
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跳び箱指導案12選に関するよくある質問 (FAQ)

子どもが跳び箱を怖がって助走を止めてしまう時の指導法は?
跳び箱の高さを1段にするか、手持ちソフトバーまたぎ越しや爬箱(手押し乗り)などの基礎スモールステップに戻します。無理に跳ばせず「手をついて箱の上にお尻を乗せる」成功体験を積ませます。
踏切板(ロイター板)で片足踏み込みになってしまう癖の直し方は?
地面に足型マークを描いたフープを置き、「最後は両足同時にドン!」と声とリズムで反復練習します。ロイター板の上でその場両足バウンドを繰り返すのも効果的です。
開脚跳びの際、指導者が立つべき安全補助位置は?
跳び箱の斜め前(着地側)に立ち、両手を構えて子どもの上腕や肩をいつでも抱き止められる態勢をとります。バランスが崩れた際に顔面から落下するのを防ぎます。
Jenher Preschool Favicon

『幼児の運動遊び500選』について

初版発行
2002 年
デジタル版整理・内容監修
仁和幼児園
最終改訂
2026 年 8 月

本書は洪南海氏の長年にわたる幼児体育の指導実務経験に基づく教材です。仁和幼児園が原著の核心を尊重しつつ、現代の保育現場のニーズに合わせてデジタル化・文字校訂・活動解説の補足・安全指引の改訂を行いました。

本書は保育指導での活用および非営利の研究引用として無償提供しています。引用時は『幼児の運動遊び500選』と明記し、本ページのリンクを添えてください。事前の許諾のない商業販売や大量複製は固く禁じます。

幼児の粗大運動・安全管理に関するお願い

活動前に子どもの発達に合わせて難易度を調整し、防滑・十分な空間の確保と大人の見守りのもとで実施してください。持病や発達上の配慮が必要なお子様は、事前に小児科医または小児専門の理学療法士等にご相談ください。