前言:幼児と運動
幼児の生活は、自らの身体を動かす活動そのものを基礎として成り立っています。
日々の暮らしの中で展開される様々な種類の遊びは、体力の活動であり、知性の活動であり、社会性の活動であり、そしてかけがえのない自己表現の活動です。これらはすべて、生き生きとした身体活動の要素と深く結びついています。
園庭や保育室で子どもたちを観察していると、運動遊びや体操活動を心から好む子どもたちは、身のこなしが確かに敏捷で、友達も多く、前向きで積極的な個性を持ち、周囲の環境や人の気持ちに対しても細やかに感じ取ることができ、あらゆる活動の場に進んで参加しようとする姿が見られます。
身体の動きが優雅でしなやかであることから、生活全体の豊かさ、敏捷性、協調性、そして心身のバランスの力を知ることができます。それが自ら行動を起こす確かな力を呼び覚まします。「行動の確かさ」こそが最も尊いものであり、生き生きとした活動と力こそがあらゆる行動の土台となるのです。
運動は人間の本能であり、自己の生命力を表現する手段でもあります。 幼児期初期に動作の運動本能と行動能力が十分に満たされ、自らの意志で明確に身体を動かせるようになり、自分自身に必要な環境と適切な反応を与えられるようになってこそ、様々な生活場面に適応する真の力とスピードが培われます。
長年の教育実践と経験が私たちに教えてくれるのは、運動遊びを愛し多様な活動経験を豊かに重ねた子どもは、運動の中で動作を正確に行おうとする姿勢を身につけ、それが将来成長したときに「自らの力で物事を正確に成し遂げようとする真摯な自己要求」へと自然に結実していくということです。
先生が笑顔で楽しそうに子どもたちと一緒に身体を動かしている情景は、幼児教育において最も美しく幸福な風景です。 先生自身の身体が健康になり姿勢が美しく保たれるだけでなく、その生き生きとした姿が子どもたちを力強く牽引し、共に運動遊びを楽しむ輪が広がります。 これこそが幼児の体能発達を内側から誘導する源泉であり、子どもの一生の成長に計り知れない大きな好影響をもたらします。
「一人の人間がその幼児期に、このような情熱と温かさを持つ先生に出会えることは、何ものにも代えがたい最高の幸福である。」