幼児の運動遊び500選 · 読書方法

読書方法: 本書の活用法と指導指針

子どもの「やりたい!」を引き出し、安全で豊かな運動経験をつくる。運動遊びの現代的意義と、保育現場で実践するための4大指導原則を解説します。

1. 幼児の運動遊びの重要性

  • 体力低下の防止: 現代社会における幼児は、自由に遊べる場所や身体を動かす機会が減少し、平均的な体力の低下を招いています。 従来の運動用具や遊び方が「危険すぎる」として敬遠された結果、運動量が著しく不足し、子どもたちが転倒した際や危険に遭遇した際に身を守る対応能力(転倒保護反応・反射動作)が育ちにくくなっています。
  • 社会性の欠如への対応: 現代の幼児には、自発的な活力、物事を最後までやり抜く責任感、そして忍耐力が全般的に不足しがちです。 運動遊びはこれらの資質を高める確かな助けとなり、仲間と共に行う集団運動ゲームは幼児の豊かな社会性の発達を力強く促進します。

2. 本書の読書方法・指導指針(4大原則)

  1. 個人および集団遊びへの適応と自発性の尊重: 本書は幼児の個人遊びにも集団運動遊びにも適した多様な内容と教材を収録しています。 指導者は適切な種類を選択し、適切な時間に、適切な幼児に対して運動遊びを提供してください。 何よりも大切なのは、「子ども自身が主体的・自発的に遊びに取り組めるようにすること」です。
  2. 対話による思考の誘導と感覚運動・知能の刺激: 身体動作の指導において、指導者は子どもに一方的に動作を要求するだけではいけません。 子ども自身が「どんな遊びをしたいか」を考える機会を与え、適切なタイミングで子どもと自然に対話を交わしながら、自発的な遊びへと導くことで、感覚運動機能と知能の統合的発達を刺激します。
  3. 固定的な年齢枠にとらわれない柔軟な運用: 運動遊びには厳格な年齢の区切りはなく、ゲームのルールも硬直した細則で縛る必要はありません。 指導者が子どもの実際の発達段階と能力を見極め、ふさわしい活動を柔軟に選択して提供します。
  4. 用具の特性把握と遊びの領域拡大: 本書では説明の便宜上、運動用具ごとに教材を分類しています。 指導者は各種運動の構成要素を偏りなく十分に理解した上で、できる限り遊びの領域と内容を広げ、子どもたち自身に多様な直接体験を重ねさせることが肝要です。
指導の要諦:指示命令から「自然な対話と主体性の喚起」へ 運動遊びの主役は常に子ども自身です。大人が先回りしてマニュアル通りに動かすのではなく、子どもの興味と発想に耳を傾け、自ら身体を動かしたくなる環境と対話をつくることが、本書を活用する上での最も大切な心得です。