フランスは芸術の宝庫であり、首都パリは芸術の殿堂として重要な役割を担っている。フランス人は映画や演劇を観るのが大好きで、生活の中で気軽に演劇の饗宴を味わうことができる。
子どもたちの生活を豊かにするドラマと文学
ジョーはフランス人演劇監督で、自分の劇団を設立し、フランス映画にも出演していた。 ジョーの妻はオックスフォード大学で英文学を専攻しており、演劇と文学は彼らの生活において非常に重要な役割を果たしていた。夫妻はシェイクスピア作品の小説化に協力し、演劇は彼らの家庭生活の中心にあった。
2人の子供たちは互いに多くを学び合い、長女は2歳の頃から両親の動作を真似て同じように本を開くことができるようになった。末っ子の息子も2歳の頃から読書に興味を持ち始め、2人で床に座って本を読むことが多い。
多くのフランス人家庭でそうであるように、彼らの家でも演劇は日常生活の一部だが、ジョー夫妻は子供たちの興味に意図的に口を出すことはない。ジョーは自分の経験を引き合いに出す。「両親は私に、美しく印刷され、魅力的に整理された科学の本を一式買ってくれたものですが、私は結局、両親が私に与えようとしたものではなく、演劇や詩が好きになってしまったのです」。だからジョーと彼の妻は、子供たちを図書館に連れて行って本を借りさせたり、本屋に行って本を買わせたりするときは、子供たちに好きな本を選ばせている。
長女が7、8歳の頃、自分なりの本の趣味や嗜好が芽生え始め、一人で本を読むだけでなく、気の合う同級生と一緒に本を読むことも多くなり、本を通じた友情が芽生えた。
良い作品を鑑賞し、芸術的センスを養う
ジョーはまた、幼少期にセンスを磨くことの重要性を強調する。この能力は、将来、子供たちが演劇や文学を解釈する際に役立つからだ。よく知られている映画や演劇でも、必ずしも子ども向きでないものがあるように、子どもは自分で判断する。例えば、ジョーの子供たちのうち2人は宮崎駿監督のアニメーションのファンだが、日本の巨匠の最後の作品である『風立ちぬ』は、扱いが激しすぎて悲しいと感じたため、気に入らなかったという。
しかし、子どもたちの人や物事に対する感覚は大人のそれをはるかに凌駕しており、時には子どもたちに想像させすぎて、最高の作品を見逃すこともあるかもしれない。だからこそ、子供たちが映画館に行く前に親が紹介し、映画館に行った後に一緒に映画について話し合うことで、様々なスタイルに触れ、自分の好みを育てる機会を持つことが大切だとジョーは考えている。
私たちはしばしば、フランス人の演劇や芸術への情熱と献身をうらやむが、ジョー夫妻の子育ての経験からも、それを見て取ることは難しくない。生活の中に文化を取り入れることが、最良の教育方法であることがわかった。
文/マンダリン・デイリーより抜粋