老子の『道経』(《道德經》)には、「天地は親切でなく、万物を摂生し、聖人は親切でなく、人民を摂生する」とあるが、これは非常に誤解しやすい。実際、『道経』は、天地は自然と調和し、何ものにも報いることを期待しないこと、賢者(統治者)は、疑う余地のない愛と配慮に対して人民が感謝することを期待すべきではないことを強調しているに過ぎない。 いわゆる "不仁 "とは、"仁と見なさない "という意味である。したがって、暴風雨、苦旱、洪水はもとより、風雨や日照り、豊富な降雪なども、天地の意図的な現れではなく、皆既日食と同じように自然現象に過ぎない。 皆既日食も自然現象であり、私たちはそれを賞賛することができるが、台風12号は私たちに大きな災害をもたらし、人々を殺傷し、山や川の色を変え、人々の財産に計り知れない損害を与えた。人類は自然の不滅の力を再認識し、大地や空の不親切を嘆きつつも、「人間」自身に何ができるかを考え直す必要がある。 亡くなった同胞を悼み、行方不明者や救助を待つ人々のために祈りを捧げ、救援活動に献身的に取り組み、熱心に寄付をする人々に拍手を送るなど、日本中がこの災害に注目している中、国際社会を震撼させた惨状と恐怖の映像が、すべての人の共感力を呼び覚まし、二度とこのような災害を繰り返さないために力を合わせてほしい。